🔴 事故事例 💰 経営リスク 2026年5月 | 株式会社リープリック

不正アクセスで顧客情報が流出
——謝罪・対応・制裁金まで含めたリアルコスト

不正アクセスによる個人情報流出のニュースは毎週のように流れている。しかしその「その後」——謝罪、対応、そして請求される費用の実態はあまり知られていない。「うちは大きな会社じゃないから狙われない」は、もはや通用しない時代です。

流出が発覚した瞬間から始まる「対応の連鎖」

不正アクセスによる情報流出が発覚した瞬間、会社は「原因究明」「法的対応」「顧客対応」の三つを同時に走らせなければなりません。しかも、これは平常業務と並行して行う必要があります。

費用の内訳——1万件流出した場合の試算

顧客情報1万件が流出した場合、以下のコストが現実的な試算として想定されます。これはあくまで「対応コスト」のみであり、売上減少や信頼失墜による解約は含みません。

原因調査・フォレンジック費用
100〜500万円
緊急対応・専門業者費用
顧客通知・コールセンター費用
200〜500万円
郵送・電話対応・外部委託
弁護士費用
50〜200万円
法的対応・書類作成・交渉
システム改修費用
100〜300万円
脆弱性修正・セキュリティ強化
合計目安
500万〜1,500万円
規模・対応範囲による(売上減少・解約損失は別途)
⚠️ この数字に含まれていないもの

・顧客離脱・解約による売上減少

・取引先からの信頼失墜・商談破談

・損害賠償請求(被害顧客からの訴訟)

・社員の残業・生産性低下によるコスト

・再発防止のための中長期セキュリティ投資

500万〜1,500万円という数字は、年商1億円未満の中小企業にとって、事業継続を左右するレベルの損失です。大企業が同様の事故を起こしても「謝罪して終わり」にできるのは、体力があるからです。

個人情報保護法の「報告義務」を知っていますか?

2022年4月に施行された改正個人情報保護法により、一定規模以上の個人情報漏洩は72時間以内に個人情報保護委員会への速報が義務化されました。これは単なる努力目標ではなく、違反した場合は以下の制裁が待っています。

📋 違反した場合の制裁(個人情報保護法)

・個人情報保護委員会から勧告・命令を受ける可能性がある

・命令に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金(法人は1億円以下)

・企業名が公表される「社名公表」処分のリスク

「漏洩に気づいていなかった」「対応に追われていて報告できなかった」は免責事由になりません。「知らなかった」では済まないのが現行の法律です。顧客の個人情報を一件でも保有している会社は、報告義務の要件と手順を事前に把握しておく必要があります。

よくある「侵入経路」——防げたはずの流出

流出事故の多くは、高度なサイバー攻撃によるものではありません。「放置していた既知の脆弱性」を突かれたケースが大半を占めます。

🔴 よくある侵入経路

古いCMSやプラグインの脆弱性(WordPress等)
WordPressのプラグインはバージョンアップを怠ると、公知の脆弱性が放置された状態になります。攻撃者はこれを自動スキャンで探して侵入します。

推測されやすいパスワード
管理画面のパスワードが「admin/admin」「社名+年号」のような単純なものの場合、ブルートフォース攻撃(総当たり)で数分以内に突破されることがあります。

不要なポートが外部に公開されたまま
社内サーバの管理ポートが外部からアクセスできる状態になっていないか確認が必要です。「昔つないで、そのままにしている」設定が侵入口になるケースは非常に多いです。

共通するのは、「外から見たときに何が見えているか」を誰も把握していなかったという点です。攻撃者は毎日自動的にスキャンを繰り返しています。「ウチは狙われるほど有名じゃない」ではなく、「たまたままだ見つかっていないだけ」という認識が必要です。

今すぐできること

専門知識がなくても、今日から始められる確認・対策があります。順番に取り組んでいきましょう。


まとめ——流出してからでは遅い

流出してからでは遅い。
まず外部から見た自社のリスクを確認しましょう。

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出典・参考

個人情報保護委員会 公式資料(2022年改正個人情報保護法)/IPAセキュリティ情報(不正アクセス被害調査)/経済産業省 サイバーセキュリティ経営ガイドライン

執筆:株式会社リープリック(ITインフラ設計・構築・保守 14年)